【ビバンセ】お子さんのADHD治療。コンサータとの違い。こどもにビバンセを飲ませて大丈夫?

ビバンセ アイキャッチ

ADHD(注意欠如多動症)の薬、コンサータなどで効果不十分の患者さんに、ビバンセでの治療を勧められることがあります。

こどもにビバンセを飲ませて大丈夫かな?と心配になると思います。

私は、調剤薬局で働いている現役薬剤師です。

ビバンセのメリット・デメリットなど、わかりやすく解説したいと思います。お子さんにビバンセを服用させることに悩んでいる保護者の方の参考になれば幸いです。

ビバンセは、どんな薬?

ADHDの症状と治療については、コンサータのページで紹介しています。参考にしてください。

ADHD

ビバンセは、注意欠陥/多動性障害(AD/HD)の患者さんに使用される薬です。

中枢神経刺激剤と呼ばれるグループに属します。

脳内の神経伝達物質(ノルアドレナリンおよびドパミン)の濃度を増加させることにより注意欠陥/多動性障害の症状を改善します。

ビバンセのメリット

ビバンセは、日本も含めた世界22か国で小児ADHDを適応症として承認されています。

中枢神経刺激薬という分類から、コンサータと比較されることが多い薬です。

  • ビバンセの効果持続時間は、約13時間。コンサータより少し長いです。
  • 投与1.5時間後から症状を改善したと報告されています。
  • 効果の効き方が、コンサータより、ゆるやかに立ち上がり、ゆるやかに落ちていくようです。

用法・用量

ビバンセは、コンサータ同様1日1回だけの薬です。

ビバンセの効果持続時間は、約13時間。コンサータは約12時間なので、少しだけ効果が長く続きます。

用法・用量
通常、小児にはリスデキサンフェタミンメシル酸塩として30mgを1日1回朝経口投与する。
症状により、1日70mgを超えない範囲で適宜増減するが、増量は1 週間以上の間隔をあけて
1日用量として20mgを超えない範囲で行うこと。

ビバンセカプセル20mg・30mg_添付文書
  • 腎臓に高度の障害のある人や血液透析中の人は、慎重に飲む量が決められます。
  • 就寝時に寝つきが悪くなる可能性があるため、午後に飲むことは避けてください。

ビバンセのデメリット

ビバンセは、薬の性質上、覚せい剤原料に分類される薬です。以下の点に注意してください。

  • 薬が残ったり、いらなくなった場合は、受け取った医療機関または薬局に返却してください。
  • この薬を海外に持ち出す場合または海外から持ち込む場合には事前に地方厚生(支)局への申請が必要です。詳細は医師または薬剤師にご相談ください。

効能・効果に関連する注意

6歳から18歳の小児のADHDの患者さんに使われます。18歳以上には承認されていません。

他のADHD治療薬が効果不十分な場合にのみ使用します。ビバンセが、ファーストチョイスにはなりません。

「ADHD適正流通管理システム」への登録

処方をしてもらうためにはコンサータ同様「ADHD適正流通管理システム」への登録が必要になります。登録は処方医を通じて行います。

このシステムに登録している医師しか処方箋は出せませんし、登録している薬局でないとビバンセは扱えません。 家の近くの薬局でもらいたいと思っても、取り扱っていないことがあります。

またコンサータを処方できる医師が必ずビバンセも処方できるとは限りません。

ビバンセの副作用

よくみられる副作用は、コンサータ同様、食欲減退(79.1%)、不眠(45.3%)、体重減少(25.6%)です。

重大な副作用

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

  • ショック、アナフィラキシー(頻度不明)
  • 皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)(頻度不明)
  • 心筋症(頻度不明)
  • 依存性(頻度不明)
    • 依存性は国内の承認時までの臨床試験において発現していない
ビバンセカプセル20mg・30mg_添付文書

その他の副作用

発現頻度が高い副作用のみ記載しています。

記載された副作用がすべてではありません。気になる症状が出た場合は、医師または薬剤師に相談してください。

5%以上
過敏症
循環器頻脈
精神神経系不眠(45.3%)、頭痛、めまい
消化器食欲減退(79.1%)、悪心、腹痛、下痢、嘔吐
その他体重減少(25.6%)
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その他の注意事項

禁忌(次の患者には投与しないこと)

  • 本剤の成分又は交感神経刺激アミン(メタンフェタミン、メチルフェニデート、ノルアドレナリン、アドレナリン、ドパミン等)に対し過敏症の既往歴のある患者
  • 重篤な心血管障害のある患者
  • 甲状腺機能亢進のある患者
  • 過度の不安、緊張、興奮性のある患者
  • 運動性チックのある患者、Tourette症候群又はその既往歴・家族歴のある患者
  • 薬物乱用の既往歴のある患者
  • 閉塞隅角緑内障のある患者
  • 褐色細胞腫又はパラガングリオーマのある患者
  • モノアミン酸化酵素(MAO)阻害剤(セレギリン塩酸塩、ラサギリンメシル酸塩、サフィナミドメシル酸塩)を投与中又は投与中止後2週間以内の患者
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特定の背景を有する患者に関する注意

次の症状のある方は、ビバンセの服用に注意が必要です。医師に相談してください。

  • 合併症・既往歴等のある患者
    • 高血圧又は不整脈のある患者
    • 精神系疾患(精神病性障害、双極性障害)のある患者
    • 痙攣発作、脳波異常又はその既往歴のある患者
    • 脳血管障害(脳動脈瘤、血管炎、脳卒中等)又はその既往歴のある患者
  • 腎機能障害患者
    • 高度の腎機能障害のある患者又は透析患者
  • 妊婦
  • 授乳婦
  • 小児等(6歳未満の幼児を対象とした臨床試験は実施していない)
  • 高齢者
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相互作用

併用禁忌(併用しないこと)

モノアミン酸化酵素(MAO)阻害剤(パーキンソン病の薬)

  • セレギリン(エフピー)
  • ラサギリン(アジレクト)
  • サフィナミド(エクフィナ)
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併用注意(併用に注意すること)
  • 尿のpHをアルカリ化する薬剤(炭酸水素ナトリウム等)
  • 尿のpHを酸性化する薬剤(アスコルビン酸等)
  • セロトニン作用薬(選択的セロトニン再取り込み阻害剤SSRI、セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害剤SNRI、三環系抗うつ剤等)
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まとめ

一番大事なのは、学校生活やお友達関係で、お子さんが困っていないかということです。そして、お子さん自身がどうしたいのか。

困りごとを少しでも取り除いてあげる手段のひとつが、薬です。しかし、お子さんにとって、薬を飲むことがストレスになるのであれば、それは最適解ではないかもしれません。

ご家族でよく相談してみてください。迷ったときは、医師、薬剤師に相談してください。

参考

くすりのしおり : 患者向け情報

日本小児神経学会:注意欠如・多動症(ADHD)にはどの様な治療法がありますか?


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